海外でエステティシャンとして活躍するには?需要や必要な資格を紹介
世界には、最先端の美容施術を行う国や、美容に対して日本にはない価値観を持つ国がたくさんあります。日本で従事するエステティシャンの中には、ゆくゆくは海外に活躍の場を移し、日本では学べないスキルや考え方を学びたいと考える方もいるのではないでしょうか。
今回のコラムでは、海外でエステティシャンとして活躍する方法を詳しく解説していきます。求められるスキルや必要な資格も紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
目次
海外のエステ事情とは?
まずは海外のエステ事情について紹介します。
- エステの需要は世界的に高まっている
- 観光客向けのエステは人気が高い
- 日本人エステティシャンは重宝される
エステの需要は世界的に高まっている
日本では、今やエステは年齢や性別に関係なく幅広い客層に利用されるサービスとなりつつありますが、海外でも以下のような背景から同様の傾向が見られます。
- 美容に関する情報を入手しやすくなっている
- エステがヘルスケアの一環としても注目を集めている
インターネットやSNSの普及、美容に関する情報を発信する有名人やインフルエンサーの増加などをきっかけとして、誰でも簡単に美容の知識を得られるようになりました。美容の知識を得ることで自然と美意識が高まり、エステの施術に関心を寄せる方が増えています。
発展途上国では特に、平均寿命の伸びとともに「長く健康で美しくいたい」という考え方が広まっています。そのため、ヘルスケアを目的としてエステを利用する方が増えているようです。
観光客向けのエステは人気が高い
感染症の流行で落ち込んだ海外旅行の需要が回復しつつある今、観光客向けのエステサービスの需要は高まっています。観光に力を入れている国では特に、観光客に旅行の疲れを癒してもらうためにエステの施術を提供するサロンやリゾート施設が増えています。
また、美容に関する情報を気軽に入手できる今、海外の美容文化に触れて実際に体験してみたいと考える方も多く、美容を目的とした旅行の需要も高いです。
こうしたニーズに応えるため、エステの本場フランスや美容大国と名高い韓国といった美容が盛んな国では、質の高い美を提供するためのサービスを提供する店舗も多くあります。
日本人エステティシャンは重宝される
美容文化が大きく異なる海外では、日本人エステティシャンは活躍の機会を得られないのではないかと考える方もいるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。日本人エステティシャンは、以下のような点が評価されて海外で重宝されています。
- 日本人ならではのおもてなし
- 繊細で丁寧な施術スキル
- 日本人観光客に対してのスムーズな接客
エステの需要が高いと言われているイギリス、ベトナムやインドネシアといった東南アジアの国々などでは特に、日本人エステティシャンの活躍の場が広いと言えるでしょう。エステサロンやリゾート施設の他、国境を越えて旅をするクルーズ船でも活躍できます。
海外勤務のエステティシャンに求められるもの
ここからは、エステティシャンとして海外で活躍するために必要なスキルをお伝えします。
- コミュニケーション力
- 英語力
- 異文化の理解
- 資格・ライセンスの取得
コミュニケーション力
日本国内でも言えることですが、エステティシャンとして活躍する上でコミュニケーション力は欠かせません。以下のような場面でお客様とスムーズにやり取りを行い、信頼関係を構築することが求められます。
- お客様の悩みを聞き出す
- 最適な施術を提案して納得してもらう
- 正しいアフターケアの方法を分かりやすく説明する
- 物販で取り扱う商品の魅力を伝える
海外で働く場合は特に、美容に対して様々な考え方を持つお客様の施術やカウンセリングを担当しなければなりません。自分の経験を伝えて心を開いてもらう、お客様の反応を見て説明の仕方を変えるなど、国内で働く場合以上に臨機応変な対応が求められます。
英語力
現地のお客様や日本以外からの観光客を接客する際には、当然日常会話を問題なくこなせるレベルの語学力が必須となります。必要な言語は働く国によって異なりますが、多くの場合は英語を話すことができれば現地スタッフとのやり取りや接客を問題なく行えるでしょう。
英語力をアップさせる方法としては、教材を購入することや日本の語学スクールに通うことなどが挙げられます。しかし、こうした方法だけでは、エステサロンでよく使われる専門用語をスムーズに聞き取ったり話したりすることは難しいです。
エステティシャンにとってより実用的な英語を身に付けるためには、働いてみたい地域に留学して現地の言葉を直接学ぶのが良いでしょう。
異文化の理解
- インドネシア:政府公認の資格を取得しないとエステティシャンとして従事できない
- ハワイ:伝統的な独自のエステであるロミロミが広く認知されている
- 韓国:美容整形が一般化している
- アメリカ:ピーリング剤のような刺激の強い化粧水によるケアが主流である
上記のように、エステや美容に対する考え方は、国によって大きく異なります。想像とは異なる業務を担当させられる、お客様との会話がかみ合わないといったケースを避けるため、現地の文化を深く理解しておきましょう。
働き始めてからは、現地の最新の美容トレンドを積極的にキャッチアップすることをおすすめします。流行している施術やスキンケアに関するお客様からの質問にはっきりと答えられれば美容のプロとしての信頼度がアップし、指名客の獲得も狙えるでしょう。
資格・ライセンスの取得
海外のエステサロンやリゾート施設での就職を目指す場合、エステティシャンとしてのスキルを客観的に証明して信頼を得られた方が採用に繋がりやすくなります。
世界には、エステティシャンとしてのスキルをアピールできる資格がたくさんあります。その中でも、国際ライセンスは世界水準で一定レベルのスキルがあることを証明できる資格です。
国際ライセンスには、以下3つの種類があります。
- CIDESCO(シデスコ)国際ライセンス:30ヶ国以上に国際認定校がある
- INFA(インファー)国際ライセンス:ヨーロッパで働く際に特に役立つ
- ICAM(イカム)国際ライセンス:エステの本場フランスの民間資格である
国際ライセンスを取得したからといって、どこの国に行ってもエステティシャンとして通用するとは限りません。働く国によって、必須となるスキルや採用に有利となる資格などが異なることに留意しておきましょう。
海外でエステティシャンとして勤務する方法
海外でエステティシャンとして勤務するための手段として、以下の4つが挙げられます。
- 海外支店がある日本のサロンに就職する
- 就職エージェントを活用する
- ワーキングホリデー制度を利用する
- 海外の求人サイトを利用する
海外に進出している日本のエステ企業に就職すれば、国内で実績を積んで海外で活躍するというキャリアをスムーズに実現しやすいです。海外での研修や現地スタッフからの手厚い指導を受けられる場合が多いのも大きなメリットだと言えます。
採用活動に不安を感じている方は、充実したサポートを受けられる就職エージェントを利用すると良いでしょう。実践的な経験を積めるワーキングホリデー制度を利用する場合も、留学先によっては就職のサポートを受けられることがあります。
海外の求人サイトの魅力は、多くの求人を比較できる点です。しかし、大半の求人が外国語で掲載されているため、雇用条件や業務内容といった重要なポイントを見落とさないよう入念に確認することをおすすめします。
エステティシャンとして海外勤務する際の注意点
職種に限らず、海外で長期間勤務する際には就労ビザの取得が必須となります。海外展開している日本のエステ企業に勤務する場合は、会社が取得を代行してくれることが一般的です。しかし、自身でビザを取る場合は注意しなければなりません。
就労ビザの取得条件や発給にかかる時間は、国によって異なります。ビザの申請が却下される可能性はゼロではないため、ビザの取得が間に合わず指定された日に勤務できなくなってしまうケースも考えられます。
大使館や領事館のホームページで取得条件を確認したり、ビザの発給スケジュールを考慮して余裕を持って勤務開始日を設定したりしておくと安心です。ビザの取得が難航するのを防いだり、ビザの発給が遅れても予定通りに勤務を始めたりできます。
海外で多様な文化・スキルを吸収してみよう
海外でエステティシャンとして活躍するためには、日本で働く場合に比べて多くの知識やスキルを身に付けなければなりません。しかし、美に関する多様な価値観に触れられる、日本では得られない高度なスキルを身に付けるといった、やりがいの大きい選択肢です。
今回ご紹介したポイントを押さえて、ぜひ国を超えて活躍できるエステティシャンを目指してみてください。