脱どんぶり勘定!サロン売上を上げる「財務戦略」徹底ガイド
「あなたのサロン、もっと成長できるのにもったいない!」
多くのサロンオーナーが見落としがちなのが、「どんぶり勘定」による経営リスクです。数字的な根拠のない経営では、どれほど技術やサービスに自信があっても、思うような成長は望めません。
本記事では、数字が苦手な方でも無理なく取り組める財務戦略の基本から、利益を最大化するための実践的な方法までを詳しくご紹介します。
目次
現状把握が成功の第一歩!サロンの「お金の健康診断」をしよう
サロンの売上を上げるための第一歩は、今のサロン経営の状態を正しく把握することです。実際の数字をもとに現状を見つめ直すことで、取り組むべきポイントが見えてきます。
まずは、次の3つの「重要指標」をチェックしてみましょう。
売上
売上を把握するうえで大切なのは、「どこから、どれくらい入ってきているのか」という内訳を確認することです。施術メニューごとの収益や物販の収入、新規とリピート顧客の構成比などを分析することで、サロンの強みや見直すべきポイントが見えてきます。
経費
経費の把握も、売上を伸ばすうえで欠かせない視点です。経費には、家賃や人件費などの「固定費」、材料費や水道光熱費などの「変動費」、さらに、見落としがちな「雑費」などがあります。経費全体を定期的にチェックし、「何に、どれくらい使っているのか」を確認することが、健全な経営につながります。
利益
売上がいくら多くても、それ以上に経費がかかっていれば利益は得られません。「本当に儲かっているのか」を確認するには、次の3つの利益の違いを理解することが大切です。
- 売上総利益:売上から、材料費や施術に必要な消耗品などのコストを差し引いたものが「売上総利益」です。サービス自体がどれくらい利益を生んでいるかを表す指標で、収益性の基本を把握するのに役立ちます。
- 営業利益:売上総利益から、家賃や人件費、広告費などサロンの運営にかかる費用を差し引いたものが「営業利益」です。サロンの本業でどれだけ利益が出ているかを示す指標です。
- 経常利益:営業利益に、借入金の利息や預金の利子など、お金のやり取りによる収支を加えたものが「経常利益」です。本業だけでなく、資金の動きも含めて算出されるため、より実態に近い利益を把握することができます。
可視化がカギ!お金の流れを見える化する方法
お金の流れをつかむためには、「見える化」がとても大切です。数字が苦手な方でも、ツールを使えば無理なく管理ができます。
自分に合った方法を見つけて、定期的にチェックする習慣を身につけることで、経営の安定につながります。
数字が苦手でも安心!便利なツールの選び方
数字に苦手意識がある方でも、ツールの力を借りれば売上・経費・利益などのお金の流れをスムーズに管理できます。代表的なツールとして、以下のものが挙げられます。
- 手書き帳簿
- エクセル
- 会計ソフト
- スマホアプリ
中でも会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードとの連携による自動入力機能が充実しており、日々の記帳の手間を大幅に削減できるのが大きな強みです。手作業に比べて入力ミスも防げるため、正確なデータを基にした経営判断に繋がりやすくなります。経営の見える化をより効率的かつ正確に行うなら、会計ソフトの活用がおすすめです。
最低月1回は見直したいチェックポイント
お金の流れを可視化できたら、次に重要なのは定期的なチェックです。特に以下のような項目は、最低でも月に1回は見直す習慣をつけましょう。
- 収支のバランスに問題がないか
- 無駄な経費が発生していないか
- 広告費の費用対効果は取れているか
- リピート率や客単価は安定しているか
これらの項目をチェックすることで、利益を圧迫している原因や改善すべきポイントが見えてきます。
利益を最大化する!攻めと守りの財務戦略
売上を伸ばして利益を最大化するには、「攻め」と「守り」の両面から財務を考える必要があります。利益につながる施策を取り入れながらムダな支出を減らすことで、サロン経営の安定化と成長を実現できます。
攻めの戦略①:利益率の高いメニューを活用する
売上を伸ばすためには、利益率の高いメニューを活用することが重要です。すべてのメニューの中から利益が出やすいものを洗い出し、強化・アピールしていきましょう。
さらに、複数の施術を組み合わせたパッケージメニューを提案するのも効果的です。たとえば「フェイシャル+ボディケア+フットケア」のような組み合わせにすることで、客単価を自然に引き上げることができます。こうした工夫を重ねることが売上アップにつながります。
攻めの戦略②:費用対効果の高い広告宣伝を行う
費用対効果の高い広告宣伝を行うことも、売上アップには不可欠な要素です。チラシやSNS広告は配布する地域やユーザーの年齢層によって反応が大きく変わるため、ターゲットに合った媒体や内容を選びましょう。
また、予約サイトなどを活用する場合は、ユーザーの反応を定期的に確認し、費用に見合う効果が出ているかを見直すことも大切です。
攻めの戦略③:リピーターを獲得するための仕組みづくり
安定した収益を得るには、新規顧客の開拓だけでなくリピーターの獲得が欠かせません。
施術後にSNSなどを通じて感謝のメッセージを送ることで、顧客との関係を維持しやすくなります。さらに、次回予約までの流れをあらかじめ整えておくことで、来店を継続してもらいやすくなります。また、定額制のサブスクリプションメニューを導入するのも有効な方法です。
守りの戦略①:固定費を見直してムダをカット
見えないムダを徹底排除することは、売上を伸ばすうえで外せない「守りの戦略」です。なかでも毎月発生する固定費は、気づかないうちに利益を圧迫していることがあります。
来客数が少ない時間帯のスタッフ配置を見直したり、使っていないリース契約や設備がないかを定期的に確認するようにしましょう。
守りの戦略②:変動費のコントロール術
材料費や水道光熱費などの変動費は、費用がかさみやすい項目のひとつです。必要に応じて仕入れ先を見直したり、材料をまとめ買いをしたりすることで、コストを抑えることができます。
また、電力などの契約プランを定期的にチェックすることも変動費のコントロールには有効です。
キャッシュフローを整えて経営を安定させよう
経営を安定させるには、利益だけでなく現金の流れを正しく把握することが大切です。キャッシュフローをきちんと管理すれば、資金不足や黒字倒産のリスクを防ぐことができ、安心して事業を続けるための基盤が整います。
なぜ現金(キャッシュ)が重要なのか?
経営を続けていくうえで、現金(キャッシュ)はとても重要な存在です。帳簿上では利益が出ていても手元に使えるお金がなければ支払いができず、いわゆる「黒字倒産」に陥るリスクがあるからです。
こうした事態を防ぐには、入金と出勤のタイミングを把握し、日ごろからキャッシュフローの動きを管理する必要があります。
キャッシュフロー計算書を作ってみよう
キャッシュフロー計算書とは、「現金がどれだけ入り、どう使われたか」を示す財務書類で、営業活動・投資活動・財務活動の3つのカテゴリーに分けて記録します。
まずは貸借対照表と損益計算書を用意し、現金や預金の増減を確認します。次に、それを各カテゴリーに分類し1つの表にまとめていきます。
現金の動きを可視化することで、資金繰りの把握や経営判断に役立てることができます。
急な資金不足に備えるための予測と準備
急な資金不足を防ぐには、日々の管理に加えて先を見越した準備が必要です。手元にどれくらい現金を残せば安心かを把握し、売上が減少した場合のシミュレーションも行いましょう。
入金の遅れや急な出費にも対応できるように、余裕のある資金計画を立てておくことが大切です。
資金調達と投資を上手く行うための考え方
サロンを成長させるには、必要なタイミングで適切な投資や資金調達を行うことが求められます。
補助金や融資制度をうまく活用しながら、将来にプラスとなるお金の使い方を見極めていきましょう。
知っておきたい補助金・助成金・融資の制度
設備の更新や新しいサービスを導入する際は、補助金・助成金・融資といった制度を上手に活用するのがおすすめです。
申請の際は、内容や条件をよく理解したうえで、商工会や金融機関にも相談してみると安心です。
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将来を見据えた投資判断のポイント
新しい機器の導入やスタッフの教育・採用などは、将来の利益につながる重要な「投資」です。ただし、これらにお金をかける際には、どのくらいで回収できるのかという見込みを明確にしておくことが大切です。
数字をもとにシミュレーションを行い、しっかりとした根拠に基づいて判断すれば、投資の失敗を防げます。
「儲かるサロン」へ進化するためのネクストステップ
サロンを次のステージへと進化させるためには、明確な目標設定や計画的な行動が求められます。
ここでは、「儲かるサロン」になるために押さえておきたい3つのステップをご紹介します。
利益目標を設定する
サロンを成長させるには、具体的な利益目標を設定することが大切です。
短期的・中期的にどのくらいの利益を得たいかを明確にし、目標達成に必要な売上や経費の見込みを立てておくと、取り組むべき課題が見えてきます。
逆算の考え方を使い、「どこをどれだけ見直せば目標に届くか」をはっきりさせることで、毎日の行動に迷いがなくなり、着実に前へ進むことができます。
アクションプランを作成する
目標を達成するには、アクションプランの作成が欠かせません。
「いつまでに」「何を」「どうやって」の3点を整理するだけで、やるべきことがはっきりして、スムーズな行動に移せるようになります。
定期的な振り返りと改善を行う
計画を立てたあとも、必要に応じて改善を重ねることが重要です。定期的にプランの見直しを行い、状況に応じて柔軟に対応しましょう。
また、困ったときは一人で悩まず、税理士や経営コンサルタントなどの専門家にアドバイスや支援を受けるのもおすすめの方法です。
財務戦略を活用して安定したサロン経営を目指そう
安定したサロン経営を実現するには、売上や経費、利益といった数値を正しく把握し、根拠に基づく判断を行うことが重要です。現状の分析からキャッシュフローの管理、投資や資金調達の計画まで、財務戦略をうまく取り入れることで着実な成長が期待できます。
「脱どんぶり勘定」を目指して、数字に強いサロンを育てていきましょう。