エステサロンがリピート率を上げるには?顧客満足度を高める方法を解説
インターネットやSNSで誰でも簡単に美容に関する情報を入手できる昨今。年齢や性別に限らず人々の美意識は向上しており、エステ業界のニーズは年々高まってきています。
同時に、資格がなくても気軽に開業できることから、新しく開業するエステサロンが増えています。お客様を獲得するための競争もどんどん激しくなっています。
そういった状況の中で安定した売上を獲得するためには、新規のお客様に来店してもらうだけでなく、サロンに繰り返し通ってくれるリピーターを増やすことが重要です。そこで今回のコラムでは、エステサロンがリピート率を上げるための方法を詳しく解説していきます。
目次
エステサロンにおけるリピート率の重要性
「1:5の法則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。新規のお客様を獲得するためには、既存のお客様にリピーターとして通い続けてもらう場合と比べて約5倍のコストがかかるという理論のことを指します。
サロンを一度訪れたお客様は店内の雰囲気やメニューを知ってくれています。そのため、サロンのことを認知してもらうための宣伝活動を積極的に行わなくても来店してもらえる可能性が高いです。
既存のお客様が施術に満足してくれたりサロンのファンになってくれたりすると、定期的に通い続けてくれることが期待できるため、安定した売上を獲得しやすいでしょう。さらに、追加メニューやよりグレードの高い施術を希望してくれれば、客単価のアップも望めます。
このように、リピーターが増えれば少ないコストでサロンの利益を拡大することが可能です。定期的に通ってくれるお客様が良い口コミを投稿してくれれば、宣伝効果も期待できるでしょう。コストをかけずにサロンの魅力を発信することができます。
エステサロンのリピート率が増えない理由
初めてサロンを訪れたお客様に2回目以降の来店をうまく促せず、リピーターの集客に苦戦しているエステサロンも少なくありません。エステサロンにお客様が定着しづらい要因は店舗によって様々ですが、主に以下の5点が挙げられます。
- サービスの質が悪い
- サロンのターゲットとお客様が一致していない
- 他店との差別化が十分でない
- 来店後のフォローが不足している
- 予約が取りづらい
サービスの質が悪い
サービスの質が悪ければお客様の満足度は低く、当然お客様が継続して通ってくれることも期待できません。サロンが提供しているサービスの中にお客様が不満を感じ得る要素がないかどうか、以下のポイントを客観的な目線で今一度見直してみてください。
- お客様に快適に施術を受けてもらえる高いスキルを有しているか
- 正しいマナーに基づいた丁寧な接客ができているか
- お客様の気持ちに寄り添ったカウンセリングができているか
- 店内は清潔に維持されているか
エステサロンの施術は、定期的に通うことで効果を実感できるものが多いです。長期的に施術を受けることで徐々に効果を実感できる旨を予め伝えておかなければ、すぐに効果を感じられないという理由でお客様が離れてしまう可能性があります。
お客様の希望をヒアリングする場であるカウンセリングは、お客様にとっては安心して通えるサロンかどうかを見定める機会でもあります。
スタッフの対応により不信感を与えてしまうと、サロン全体のイメージが悪化してしまい、お客様が別のサロンへの乗り換えを検討するきっかけを与えてしまいかねません。
サロンのターゲットとお客様が一致していない
- メンズエステ
- ブライダルエステ
- 出張エステ
- フェイシャルエステ
- 痩身エステ
エステサロンのニーズは上記のように幅広く、ターゲットを絞って集客することが求められます。というのも、ターゲットを想定しておけば、お客様のニーズを正確に把握してそれらに合わせたサービスを提供できるためです。
例えば、結婚式を控えたお客様をターゲットとするブライダルエステでは、結婚式当日までにお客様が理想とする仕上がりを確実に提供することが求められます。施術のスケジュールを綿密に共有すれば、お客様に安心して施術を受けてもらえるでしょう。
ただし、どれだけ質の高いサービスを提供していても、サロンが想定するターゲットと実際に来店するお客様の属性が異なっていると、顧客満足度は低くなってしまいます。自分に合っていないサロンだという印象を与えてしまい、リピートに繋がりにくくなるでしょう。
ターゲット層のお客様により多く来店してもらえるよう、集客の方針を見直すべきかもしれません。
他店との差別化が十分でない
一度エステサロンを訪れてくれたお客様に再度来店してもらうためには、お客様にサロンのことを思い出してもらわなければなりません。
スムーズな施術や丁寧な接客など、どのエステサロンも同じように実施しているサービスを提供するだけではお客様の印象に残らず、2回目以降の来店に繋がりづらいです。他店にはない以下のような強みを見出し、お客様にアピールすることが求められます。
- 独自のカウンセリングシートに基づいた丁寧なヒアリング
- オリジナルの施術メニュー
- 豊富な品揃えの物販
来店後のフォローが不足している
初めてエステサロンを訪れてくれたお客様へのアフターフォローが不足していると、サロンのことをなかなか思い出してもらえず、2回目以降の来店に繋がりにくいです。
- アフターケアについて丁寧に説明する
- 次回予約の案内をする
- サロンの出口までお客様を見送る
- DMやLINEでお礼メッセージを送る
退店する際や帰宅後に上記のようなフォローを実施することで、お客様はサロンに大切にされていると特別感を抱いてくれます。次回以降の来店に意欲的になってくれることも期待できるでしょう。
予約が取りづらい
例え顧客満足度を高めてお客様の印象に残るよう努力しても、次回の予約が取りづらければ、お客様は簡単に離れてしまいます。
予約までの導線は、できる限りシンプルにしておくと良いでしょう。電話だけでなく、専用サイトやLINEなどで24時間予約できる体制を整えておけるとベストです。
レジ横や施術ベッドのそばといった目立つ位置に予約サイトへ遷移できるQRコードを設置しておくと、予約の方法を店内でレクチャーすることができます。
予約枠に空きがなく、次回の予約がすぐに取れないこともリピーターが増えない要因となり得ます。お客様がサロンの予約状況を常に確認できるよう、予約システムを整備しておきましょう。
小規模のサロンであれば、急なキャンセルが出た際にSNSやDMで告知して来店するきっかけを提供するのもおすすめです。
エステサロンのリピート率の計算方法
リピート率(%)=リピートしたお客様の数(人) ÷ 新規のお客様の数(人) × 100
エステサロンのリピート率は、上記のように算出することができます。
1ヶ月の間に新規のお客様が100人来店し、そのうち30人が再度来店してくれた場合、リピート率は「30÷100×100=30(%)」となります。
一般的な美容系サロンにおけるリピート率の平均は、およそ20~30%と言われています。しかし、中にはお客様のファン化に成功し、50%を超えるリピート率を獲得しているサロンも少なからず存在します。
単純に店舗全体のリピート率を計算して一喜一憂するだけでは、いつまで経ってもリピート率の改善は目指せません。リピート率が上がらない要因を把握するため、担当者や施術メニュー別のリピート率を算出すると良いです。
新規のお客様に対して積極的に勧めるメニューを変更する、リピート率の低い年齢層のお客様について担当スタッフを交替するといった対策が可能となります。
エステサロンのリピート率を上げる方法
ここからは、エステサロンのリピート率を上げるための具体的な対策について解説していきます。
- ポイントカードやクーポンを取り入れる
- お客様に寄り添ったサービスを提供する
- SNSを活用する
ポイントカードやクーポンを取り入れる
ポイントカードやクーポンを取り入れて再来店することによるメリットを提供するのも、リピーターを増やす方法の一つです。とはいえ、闇雲にクーポンを配布していても、お客様に利用しようと思ってもらうことは難しいでしょう。
宣伝と捉えられたりしつこい印象を与えたりしてしまわないよう注意しつつ、再来店するメリットを店頭で案内できると良いです。
また、特典を受けるためのハードルが高すぎると達成する気力がそがれてしまい、お客様にとって来店するきっかけとはなりづらいです。3回来店するごとに割引が適用されるというように、達成できそうだと感じてもらえるフローを設定しましょう。
お客様に寄り添ったサービスを提供する
2回目の来店を促してリピート率をアップさせるだけでは、長期的に安定した売上を獲得することは難しいです。長期的に通い続けてくれる、追加メニューを契約してくれるようなサロンのファンを増やすことが欠かせません。
お客様に寄り添ったサービスを提供し、特別感を抱いてもらうことが大切です。先述した退店時の丁寧な見送りやLINE、DMを通したお礼のメッセージだけでなく、以下のようなおもてなしを実践するのも有効です。
- お客様の誕生日にお祝いメッセージを送る
- サロンの周年記念にノベルティや美容グッズを贈る
- お客様のお気に入りのドリンクを提供する
SNSを活用する
SNSは、まだエステサロンのことを知らないお客様に認知してもらう上で非常に有効な媒体です。リピーターとの信頼関係を築く上でも大いに役立ちます。
お客様からの質問を募集して素早く丁寧に回答する、キャンペーンや割引の告知をして来店を促すといった使い方がおすすめです。
SNSを利用する一番の目的は、お客様とのコミュニケーションを活性化させることです。むやみにクーポンを配布する、キャンペーンに関する情報をしつこく告知するなど、宣伝を目的としたアカウントだというイメ―ジを与えてしまうのは避けましょう。
顧客満足度を高めてサロンのファンを増やそう
クーポンやポイントカードを取り入れて再来店するメリットを提供することも、リピート率をアップさせる上で非常に有効な手段です。
ただし、サロンが提供するサービスそのものに満足してもらえなければ、長期的に通い続けてサロンのファンになってもらうことは難しいでしょう。
リピート率を向上させて安定した売上に繋げる一番の近道は、顧客満足度をアップさせることだと言えます。まずは、お客様に提供している現状のサービスについて、改めて見直してみてはいかがでしょうか。